ふくぎ鍼灸院の北川です。
2019年1月22日放送の「ザ!世界仰天ニュース」で『恐ろしい心の病 恐怖症スペシャル』が特集されました。
「失笑恐怖症」「会食恐怖症」「過敏性腸症候群」の3つの恐怖症が紹介されました。
「過敏性腸症候群」はおならが止められない女性として紹介されましたが、ふくぎ鍼灸院で最も多く来院される病気がこれです。
多くの患者さんが家族、友人、そして病院でも症状を理解してもらえなかったり、言うのも恥ずかしいと一人で悩んでいます。
今回の放送をきっかけに、少しでも多くの人に過敏性腸症候群のことを理解していただけたら嬉しいです。
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)という病気は多くの人にとって聞き馴染みがない病気ですが、ある統計では7人に1人がこの病気であるとされています。
具体的な症状として、慢性的な腹痛があり、下痢、便秘、またはその両方を繰り返します。
原因は腸の粘膜にあるセロトニンというホルモンの量が多くなったり少なくなったりして起こる。
また、ストレスがあると迷走神経に伝わり腸の働きが活発になり痛みの原因となります。
中学や高校で発症する人が多く、テストや会議などストレスがかかる場面や、通学・旅行など自由にトイレに行けない状況になると症状が悪化します。
実際、これを書いている私も20年以上前、中学生の頃から慢性的な腹痛と下痢に悩まされ、学校を頻繁に遅刻したり、腹痛によりまともに授業を受けられない学生生活を送っていました。
昔は過敏性腸症候群という病名も知られておらず、効果のある薬もありませんでしたが、近年では下痢や便秘に対する様々な薬が開発され、症状が解決する人も増えています。
今回紹介された症状は、番組ないでは言われなかったものの過敏性腸症候群の「ガス型」と呼ばれることもあります。
腹痛や便秘、下痢がありガス(おなら)の症状がメインの病気です。
ガス型の特徴として以下のようなものがあります。
悪化すると対人恐怖症や自臭症、自律神経失調症など様々な病気を併発し長年苦しんでいる人がたくさんいます。
この病気のやっかいなところは、改善率の高い薬がなく治りづらいこと。
そして病院に行っても「おならは誰もするし、臭くないから大丈夫」と医者さえ理解してもらえないことです。
埼玉県に暮らすゆかさんは、どうしてもおならが止められない… 我慢しようとすると激しい腹痛が襲ってくる。
小学3年生の頃から、おならが漏れ出るようになり不登校になった。
通っているデザインスクールでは「おならのニオイがする」とクラスメートが話す。授業中はおならが出ないように息を止めていた。
ニオイの原因が自分だと気づかれているのではないか、周囲の視線が気になり、人に囲まれる場所は避ける様になる。
整腸薬やガスを消す薬を飲んでみたが効果は感じられなかった。
彼氏に悩みを打ち明けると、受け入れてくれ病院へ行くことを勧められ受診すると下痢もあることから過敏性腸症候群と診断された。
ガスが多いのは呑気症(どんきしょう)も併発していたからだと考えられた。
食事を工夫することで症状は以前に比べ少しだけ治まった。
しかし、仕事でも30分おきにトイレ行き、同僚から陰口を言われ仕事は長続きしなかった。
その後彼氏と生活のすれ違いで破局し、それからは引きこもる日々。
転機になったのは過敏性腸症候群の人との交流会。
同じ症状の人と会うことで、一歩一歩前向になってきている。
今回紹介された女性も病院へ行ったものの、治ることはありませんでした。
それくらい過敏性腸症候群ガス型は治るのが難しい病気です。
そして、ほとんどの人は何の病気かさえわからず、不安と苦しみで毎日を過ごしています。
こういった病気は周りから理解してもらえるだけでもかなり生活がしやすくなります。
今回の放送をきっかけに、多くの人に過敏性腸症候群という病気が正しく伝わることを望み、また私も発信していきたいと思います。
治すのが簡単ではない過敏性腸症候群ガス型ですが、鍼灸治療や低フォドマップ食で改善している人もたくさんいますので、治すことを諦める必要はありません。
追記
仰天ニュースのサイトに、紹介された全文が公開されています。
詳しくどんな話だったか知りたい人はこちらをどうぞ。
http://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20190122_03.html
コメント
ふくぎ鍼灸院
鍼灸で改善した人たくさんいるので、症例ぜひ御覧ください。
ご自身でやるなら低フォドマップ食がおすすめです。
阿部桜
ガス型は鍼治療でほとんどの人が改善されるのですか?
fukugi@dmin
5〜10回程度、週1回以上の頻度で通っていただける前提でお伝えしました。
ガス型に絞ると
日常生活に全く支障ないレベルで改善→35%
ある程度改善→50%
ほとんど変化を感じない→15%
これくらいのイメージになります。
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