患者さま
男性 10代
通院期間
2ヶ月
通院回数
8回
通院頻度
1週間に1回(6回目以降は2週間に1回)
症状・経過
大学受験時のストレスがきっかけで1年半前から腹痛と下痢が起きるようになった。朝食後に強く痛み、昼食や夕食後も同様に痛むときがある。
低フォドマップ食を取り入れてから下痢の症状はおさまったが、腹痛に変化はなく一日中痛むこともある。
消化器内科で過敏性腸症候群と診断された。イリボー、セスデンを処方され、服用している。薬はあまり効果を感じない。
インターネットで当院を見つけ、腹痛の症状を改善し勉強に集中できるようになりたいと来院した。
治療内容と経過
お腹を確認すると胃のあたりや肋骨周囲、へそから下腹部にかけて硬く緊張し痛みや不快感があった。手や足のツボに鍼をするとお腹の緊張や痛みが軽減した。本人もその場で「腹痛が楽になった」と変化を実感した。
施術後も毎日の腹痛が軽くなった。
5回の施術で毎日あった痛みが、まったくない日もあった。
症状が安定してきたため、6回目以降は通院を週1回から2週間に1回にのばしながら通院中。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ
LR合谷、LR四瀆、L陰陵泉、LR外丘、LR上巨虚
考察
来院時は腹痛のため思ったように勉強できず気分も沈んでいたが、症状の軽快とともに気持ちも軽くなりバイトも始められるようになった。
症状が強く出ていたときは、脂っこいものや炭酸水で悪化していたが、8回目くらいには食べ物による症状が出なくなった。
低フォドマップ食以外でも症状が悪化するケースはあるので、その人の体質に合ったアドバイスをしていきたい。
患者さま
男性 10代 高校生
通院期間
7ヶ月
通院回数
12回
通院頻度
1週間に1回(7回目以降は2週間に1回)
症状・経過
中学2〜3年にかけて便秘や腹痛の症状が気になりはじめた。
高校2年の時には便が硬く出にくい、ガスが多いなどの症状があり過敏性腸症候群便秘型と診断された。
現在は常に腹痛や残便感があり、月に1〜2回はトイレに2時間近くこもる。腹痛のため食事がとれない時や登校ができない日があり困っている。またテスト前など緊張したときは下痢になることが多い。
消化器内科で整腸剤を処方され下痢は多少良くなったが、便秘や痛みは変わらず現在は服用していない。症状が強く出たときは正露丸を服用している。
インターネットで当院を見つけ、腹痛や残便感などの症状を改善し、休むことなく登校したいと考え来院した。
治療内容と経過
下腹部に痛みが出やすく、お腹を触るとへその周りに硬さを感じた。腕や足のツボに鍼をすると、お腹の硬さや張りがその場で和らぎ本人も少しお腹周りが楽になったと感じた。
施術後は便が多少出やすくなり残便感やお腹の張りが和らいだ。
2回目の施術ではへそ横、へそ右下の硬さを和らげるように足や肘のツボに鍼をした。
4回の施術で普段のお腹の張りやガス症状は改善されたが、食事での腹痛が残っていることから食事指導を追加した。
7回の施術で症状が安定したので、引き続き食事に注意してもらいながら治療間隔をあけていった。
8回の施術で痛みはたまにある程度になり、11回で腹痛が2か月なかったため通院を終了とした。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ
L上巨虚、L四瀆、R外丘、L条口
考察
へそ周りや下腹部の硬さが腹痛やお腹の張りを引き起こし、トイレに行きたくなる原因となっていた。
元々緊張しやすい体質ということもあるが、油っぽいもの、インスタントラーメン、パンなど腹痛を引き起こしやすいものを好んで食べていたため症状がより悪化したと考えられる。
食事指導に対して患者本人が意識して取り組んだことで、着実に症状が改善された。
患者さま
女性 10代 高校生
通院期間
2ヶ月
通院回数
8回
通院頻度
1週間に1回(6回目以降は2週間に1回)
症状・経過
中学生だった5年前からガス漏れや腹痛が少しずつ出現し、高校受験時に知人がいない塾に入りストレスから症状が悪化した。
テスト中など静かな場所やストレスを感じた時に悪化する。ガス漏れは無意識に常に出続けているように感じている。腹痛はへそ周辺で「ぐぐっ」と押されているような重い痛みである。
消化器内科で過敏性腸症候群と診断された。ガスコンを処方され、少し改善したように感じている。
インターネットで当院を見つけ、高校生活でガス漏れや腹痛で困る状況を改善したくて来院した。
治療内容と経過
お腹を確認すると胃の周囲や季肋部、へそ周囲が硬く緊張し不快感があった。手と足のツボに鍼をすると、その場でお腹の不快感が減弱した。
施術後は症状が治療前と比較して半減した。
2回の施術で腹痛はほぼなくり、6回でガス漏れに困る事が少なくなったので週1回の通院を2週間に1回にのばした。
その後も症状が安定しているため、間隔をよりのばして通院予定。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ
LR四瀆、L外丘、LR上巨虚
考察
受験で悪化したガス漏れや腹痛がそのまま残り、進学先でも悩まされているケースだった。
当初は新たな環境に馴染めず症状による不安を感じている状態だったが、鍼施術を行うことで症状を気にせず自信を持って勉学や部活動に取り組むことが出来るようになった。
患者さま
女性 10代高校生
通院期間
約2ヶ月
通院回数
10回
通院頻度
週1回
症状・経過
高校受験のストレスを感じるようになってから、昼に弁当を食ると左下腹部にガスが溜まりお腹が張るようになった。
ガスが我慢できないので、授業中など後ろや近くに人がいると緊張しガスが出ていないか心配になる。
生理中はより悪化するが、自宅にいる時は全く症状が出ない。
高校1年生の7月に心療内科で過敏性腸症候群(IBS)と診断されクロチアゼパム(抗不安薬)を処方されたがあまり効果を感じない。
ウェブで過敏性腸症候群(IBS)専門の当院を知り来院した。
治療内容と経過
お腹を触診すると左下腹部に不快感と強い緊張があった。日ごろガスが溜まる範囲と一致するため、この場所が原因と考え足のツボに鍼をした。合わせて、緊張しやすさを緩和するため、手のツボも使用した。
するとお腹の緊張と不快感が緩和し、最初の施術で症状が3割ほど軽減したことを実感できた。
お腹の施術に加え、緊張と関係ある肩や背中のツボも使用しながら週1回の頻度で通院した。
3回の施術でチェックシートの点数は大きく改善。
本人はまだ症状が気になるということで通院は継続し、徐々に緩和されていった。
10回の施術後には生理時にも症状が悪化する事が少なくなったため、通院間隔を延ばしながら通院を継続している。
同時に治療した症状
特になし
使用した主なツボ
L合谷、L太衝、LR三陰交、LRT4(2.5)
考察
ガスで悩む高校生は改善まで時間がかかる事が多い。
これは思春期の思考方法や、学校という環境を変えることが難しいことが理由だと考えられる。
今回も本人が納得できる改善まで時間はかかったが、根気よく通院した結果楽しく学校生活を送ってくれているので、本人の努力も非常に重要だと感じた。
※結果には個人差があり、
患者さま
女性 10代 高校生
通院期間
6週間
通院回数
7回
通院頻度
週1回
症状・経過
7ヶ月前から左下腹部にガスが溜まり、我慢しているとお腹が鳴るようになった。
受験が終わり安心した2ヶ月前から症状が悪化し、勝手にガスが漏れお腹が1日中ゴロゴロ鳴るため授業に出るのが辛くなり学校を休みがちになった。
自宅にいれば症状は出ないが学校や電車など人が多くいる場所や生理前に悪化する。
近所の内科で過敏性腸症候群(IBS)と診断され漢方の半夏瀉心湯や大建中湯を処方された。
ウェブで過敏性腸症候群(IBS)が鍼で改善できることを知り、当院を見つけ来院した。
治療内容と経過
お腹を触診すると左の下腹部とみぞおちに硬さがあり押すと不快感があった。ガスが溜まっていると感じる場所と同じことからここを原因と考え、下腹部とみぞおちが緩むよう左の手と足のツボに鍼をすると硬さと不快感が軽減したことを確認した。
2回目以降は施術のたびにお腹の硬さが左右分かれるため、状態をしっかり確認しながら進めていった。
3回目施術後には症状が緩和しているのを感じ、さらに施術を続けると生理前を除けば症状は半分程度になった。
7回目まで週1回の施術を行い、学校でも家と変わりなく調子が良いため間隔を延ばし現在は月に1度のペースで通院中。
同時に治療した症状
生理痛、食欲不振
使用した主なツボ
L合谷 LR三陰交 LR陽陵泉 LR陰陵泉 LR外秩辺
考察
大学への進路が決まってから症状が悪化したため来年度からの大学生活に不安を覚えていた。
症状が改善したことで安心して心から大学生活を楽しんでもらいたい。
※結果には個人差があり、
患者さま
女性 10代高校生
通院期間
3週間
通院回数
5回
通院頻度
週2回
症状・経過
中学2年の頃からガスが溜まり、お腹から肛門にかけてゴボゴボ鳴るようになった。
2年程前からは、毎日下痢で水様便が多く10回ほどトイレに行くがすっきりしない。常にお腹に力が入るため、張りや苦しさも出るようになった。
授業中や塾、テスト、模試でお腹が気になり集中できず座っていられない。
内科で検査の結果、過敏性腸症候群(IBS)と確定診断されコロネルを処方された。
鍼(はり)が怖く受けたくなかったが、このままでは大学受験に万全な体調で臨めない、と母親に連れられ来院した。
治療内容と経過
お腹を確認すると全体が硬くなっていた。特にへそ下が緊張し強い不快感があり、みぞおち周囲が冷えていたため足のツボに2本鍼をした。本人と付き添いの母親とともにお腹の緊張が緩んだことを確認した。恐怖感が強かったためここで最初の施術を終えた。
2回目は3日後に行い、お腹全体を緩めるツボや腹痛、下痢、ガスで使うツボに鍼をした。施術後ガスや腹鳴が改善され、下痢も軟便になり授業を落ち着いて受けられた。
4回の施術を短期間で終えた後、模試の都合で3週間後に来院。ガスは気にならなくなり、お腹の張りや残便感も大幅に軽減された。学校に通学しても問題なかった。
模試やセンター試験は頓服で処方されたダイピン錠(鎮痛薬)を念のため服用し、集中することができた。
今後は大学入試が終わるまで定期的に通院する予定。
同時に治療した症状
特になし
使用した主なツボ
L合谷 L陰陵泉 LR陽陵泉 R上巨虚 R外丘 LR元瑠
考察
鍼への恐怖心で不安感が強かったため施術前に十分な説明を行い、元々少ない鍼の使用本数をより少なくした。
鍼への苦手意識は消えていないが十分な効果を得られ、センター試験に間に合ってよかった。
早期の改善には短期集中の通院、精神的なストレスを減らす、睡眠時間をしっかり確保することが重要だと改めて感じた症例であった。
※結果には個人差があり、
患者さま
男性 高校生
通院期間
1週間
通院回数
3回
通院頻度
4日に1回
症状・経過
本人は部活でキャプテンをするなど非常にまじめな性格。
小学生の頃から便秘気味で毎日トイレに40分こもる生活を送っていたが、2週間前から急に腹痛と下痢になった。
お腹全体がギューッと痛み、毎日8回程度トイレにかけこむ。すぐに便意が起こるため学校を休んでいる。
特に食事中や食後すぐに強い便意が起こり、就寝中にも腹痛と便意で目が覚める。
近所の胃腸科で過敏性腸症候群(IBS)と診断され、CT検査をしたが腸にわずかに炎症がある程度で問題なしと言われた。
トリメブチンマレイン塩酸錠、ビオスリーは効果を感じず、ストッパは気休め程度に効果を感じる。
ウェブで当院を知り来院した。
治療内容と経過
お腹を確認すると右側に硬さと不快感があった。お腹全体を緩めるために右手のツボに鍼をした。次に普段からへそ下の痛みが特に強いとの訴えから足のツボを使用した。お腹の硬さと不快感が軽減したことを本人と確認できた。
施術後、昼食後の便意がおさまりトイレの回数が3~4回に減少したため、ストッパを服用して学校に通うことができた。
4日毎に3回の施術を行った結果、薬がなくとも下痢や腹痛が完全になくなり、問題なく学校へ通うことができている。
同時に治療した症状
特になし
使用した主なツボ
R合谷 R元瑠 R足三里 R陰陵泉 R陽陵泉
考察
幼少期からお腹の症状を抱えていたことに加え、部活動のキャプテンをしており気さくな性格ながら責任感も強く、テストや文化祭など学校行事などでも気を使っていた為、いつの間にかお腹へのストレスを抱えていた可能性がある。
発症から2週間で通院を開始できたことが早い改善に繋がり、学校に復帰できた。
もう一度同じ状況になっても症状が出ないように手助けしていきたい。
※結果には個人差があり、
患者さま
女性 10代高校生
通院期間
3週間
通院回数
3回
通院頻度
週1回
症状・経過
中学2年生頃のテストのストレスから下腹部からゴロゴロと腹鳴が起こるようになり、排便しても不快感が残るようになった。
以前は調子によって良い時と悪い時があったが、4月の新学期からは毎日腹鳴が起こり恥ずかしい思いをしている。
自宅や音がある環境は気にならないが、授業中やテスト中、映画館など静かな環境では腹鳴が大きくなる。特に午前中に症状が強い。
月経の2~3日前になるとさらに症状が増悪する。
消化器科を受診し過敏性腸症候群と診断されたが、検査はせず気にしすぎと言われただけだった。
半年前、別の鍼灸院で施術を受けたが効果を感じることはなかった。
ウェブで過敏性腸症候群専門の当院をみつけ、同じような症例を見て来院した。
治療内容と経過
お腹を触り確認すると下腹部と季肋部(肋骨の際)が固く張っていた。この場所は月経と関係ある場所であり、月経時に症状が増悪することからスネのツボに鍼を打った。
緊張しやすいということで、ストレスに効果のある手のツボにも鍼を打った。
2回目の施術後には症状が半分以下になり、授業中はほぼ気にならなくなった。
3回の施術で腹鳴、排便後の不快感症状はほぼ消失していた。
2週間後も状態が維持ができていたので通院を終了した。
同時に治療した症状
特になし
使用した主なツボ
ⅬR三陰交 LR外丘
考察
腹鳴は下痢や便秘を伴わない場合、ほかに大きな病気が隠れていることは考えにくい。
そのため腸が元気に動いている、気にしすぎと言われることがよくある。
しかし現実的に腹鳴は日常生活に影響をおよぼすことも多く恥ずかしい思いをしている人は少なくない。
今回のケースでは生理と関係がある腹部に反応があり関係性に気づけたこと、他に強い症状がなかったことで素早く効果を出すことができた。
※結果には個人差があり、
患者さま
男性 20代大学生
通院期間
1ヶ月
通院回数
5回
通院頻度
週1回
症状・経過
幼少期からお腹が弱く、高校生の頃から電車での通学時やテストで頻繁に我慢できない便意が起こるようになった。
毎日起床後3時間は5~10回ほど便意があり、「外出直前に便意があって自宅を出られない。大丈夫と思い外に出てもすぐに便意があり引き返す」症状に一番悩んでいる。
自宅や車運転中はいつでもトイレに行ける安心感から便意がは少ない。午後になれば調子が良くなる。
高校生の時に近所の病院で過敏性腸症候群と診断されイリボーを処方された。薬は効いていたが大学生になると効果を感じなくなった。大腸カメラの検査を行ったが異常はみられなかった。
過敏性腸症候群をウェブで検索し、当院の症例などに自分と似たものがあったため来院した。
これから新社会人になり仕事に差し支えることがないようにしたい、という目標で施術を開始した。
治療内容と経過
お腹を確認すると全体が硬いため手のツボに鍼をして全体を緩めた。すると、へその横と下腹部の硬さが目立つようになったため対応する肘とスネのツボに鍼を打った。その場所が緩んだことを本人と共に確認し1回目の施術を終了した。すると便意はあるが我慢できそうな程度に軽減した。
その後週1〜2回の通院を行い、2回の施術で便意の強さ・回数とも減少していた。
4回の施術で朝の便意回数は2~3回になり余裕を持って我慢できる強さにまで軽減した。
5回で起床後の強い便意はなく、不快感を伴わない通常の便意が1,2回ある程度になった。
十分に満足できる状態になったため、間隔を伸ばし通院中。
同時に治療した症状
特になし
使用した主なツボ
L陽陵泉 L合谷 L陰陵泉 R足三里 L曲池
考察
起床時や午前中に強い症状が起こる人は多い。
これは就寝中に身体が冷える事が元で起床時に症状が起こり、活動する内に冷えが解消されるため時間の経過により改善していたと考えられる。
冷えの原因となっていた左側腹部と季肋部を緩めることでへその中心部の硬さもなくなり冷えなくなったため結果として起床時の症状も治まった。
学生から社会人となるタイミングは大きな不安を感じる時期だが、新人研修序盤の3週間通院することで症状が改善でき本人も前向きに仕事に取り組めそうな様子であった。
※結果には個人差があり、
患者さま
男性 10代高校生
通院期間
3週間
通院回数
3回
通院頻度
週1回
症状・経過
昨年の9月ごろから腹鳴が起こり、お腹の張りが強くなった。腹痛を伴いながら下痢・便秘を繰り返す過敏性腸症候群(IBS)の混合型の症状があらわれ、ガスもよく出る。
今年の1月から症状が悪化し、毎日便秘と下痢が繰り返すようになった。
下腹部とわき腹の痛みと張りが多いため睡眠不足になっており、起床後は腹痛が強くなる。
来院時には「便意で毎日7時間はトイレから出られない」状態で学校の授業に集中できず欠席や早退が増え成績が落ちた。
肉ばかり食べる偏食だったため、食事内容を見直したが改善はみられなかった。
近所の総合病院を2件回り血液検査とレントゲン検査を行ったが異常がなく過敏性腸症候群と診断。医師には「異常はないから考えすぎ」と言われた。
薬はラックビー、イリボー、コカール、パンテチン散、重質酸化マグネシウム、コロネル、ガスチモン、ミヤBM、漢方の大建中湯、六君子湯、芍薬甘草湯など様々なものを試した。
母親がウェブ検索で当院を見つけ、改善例を見て来院を決めた。
「4日後の学年末テストの追試を受ける事ができる状態にならないか」と相談があった。
治療内容と経過
お腹を確認するとヘソを中心に全体が膨らみ張っていた。特に左のわき腹~下腹部に痛みと張りが出現していた。
IBSの混合型の反応ポイントと、本人が症状を訴える部位が一致したため対応するスネのツボに鍼を2か所打った。
本人、術者ともにその場で痛みと張りの軽減を認識し初回の施術を終えた。
すると痛みや便意が軽減されトイレにこもる必要がなくなり、追試を無事受ける事ができたと報告を受けた。
一番気にしていた腹痛や便意が治まり学校へ行けるようになったが、残った症状を改善するために週に一回のペースで通院した。
その後、本人も納得できる状態まで改善できたので3回で通院を終了した。
同時に治療した症状
特になし
使用した主なツボ
L陽陵泉、L陰陵泉、L元瑠、R合谷、L上巨虚
考察
今回は症状が多岐にわたったためチェックシートで最も状態の悪い評価となった。
このような場合、何を優先的に改善したいかを確認し本人と共有することを大切にしている。今回であれば「試験を受けるため」に最も困っている症状が「腹痛・急な便意」であることを確認した。
結果として経過にあるグラフの様に腹痛や急な便意を短期間で速やかに改善でき、追試を受けられた。
3回の施術ですべての症状が改善されたわけではないが、母親含め評価を頂くことが出来た症例である。
※結果には個人差があり、
患者さま
男性 10代 高校生
通院期間
3週間
通院回数
5回
通院頻度
週2回
症状・経過
中学2年生の頃から部活が厳しくなり、そのストレスから下痢と残便感の症状が出現した。毎年、夏に悪化し秋になると沈静化していたが、今年は症状が更に悪化し夏を過ぎても症状が沈静化しなかった。
不安のため学校の休み時間の度にトイレに行くが、授業中にもわき腹の痛みや便意が襲ってくるため集中できない。食後は症状が悪化する。帰宅後や休日は症状は軽快する。
6月に近所の消化器内科を受診し、過敏性腸症候群(IBS)と診断されイリボーを処方された。夏の間は十分な効果が有ったが10月から急速に効果が無くなった。
水のような下痢と頻回な便意で大学の受験勉強に差し支えると考えた親に連れられ来院した。
治療内容と経過
腹部を確認すると強い痛みはないものの全体に硬さがあり、特に右わき腹に顕著であった。腹部全体を緩めるため手のツボを使用し、下痢症状に対して有効な足のツボに鍼をした。
本人と共に腹部の緩みを確認できたため、1回目の施術を終了した。
すると急な便意・腹痛の回数、残便感などが大きく減少し、4ヶ月ぶりにしっかり固まった便が出た。
その後も週2回の頻度で通院を続け、緩やかに症状が軽減し生活にほとんど支障はなくなり大学受験の勉強に集中することができた。
大学入試が終わりストレスが減ると、さらに症状は改善したため通院を終了した。
同時に治療した症状
特になし
使用した主なツボ
R合谷 R陰陵泉
考察
下痢や残便感の症状は年齢が若いほど効果は早く出る傾向がある。
今回も本人が「よくなりすぎて不安」と言うほど1回の施術で大きな変化が出た症例となった。
学校という自由にトイレに行けないストレスや受験のプレッシャーでIBSが悪化する学生は多い。
そのようなストレスが原因とよく言われるが、環境を変えることなく鍼だけで改善することができた。
※結果には個人差があり、
。
患者さま
男性 10代
通院期間
2ヶ月
通院回数
6回
通院頻度
週1回
症状・経過
昨年の夏頃から非常に強い腹痛と下痢に悩まされ始める。初めは近所の胃腸科に通院したが原因不明と言われ、今年の1月に専門病院にて入院検査を1か月行った結果、クローン病(小腸・大腸型)と診断される。
37度代の発熱や嘔吐がある。1日に6回以上強い腹痛が起こり、その度にトイレに駆け込むことがあり、強い腹痛で夜目が覚める事もある。また背中にも強い痛みが起きることがあり、腹部症状と同じくらい悩んでいる。
悪化する場合は前駆症状として口内炎が口や喉の奥にまで発症する。
学校生活では授業に集中できず、トイレや保健室の利用が度々あるため非常に困っている。
レミケードを2か月に1度点滴で使用しているが変化を感じていない。食事療法も行っており油分や食物繊維など消化しにくいものの摂取と食事量の制限をしている。
当院の内覧会に参加し、腹部や背中の痛みを軽減出来ることを知り来院した。
治療内容と経過
腹部を確認すると全体的に緊張が強く、どの部位を触診しても痛みがあった。まず手のツボに鍼を打ち、腹部全体の緊張を緩めた。
次に下痢症状に有効なツボを用い、関連する下腹部の緩みも確認できたため、そのまま10分程度置鍼した。
施術後すぐに背中の筋肉が緩み、痛みが大幅に軽減した。
通院の回数を重ねる度に様々な症状が改善していき、約1ヶ月経過した通院6回目終了後は下痢の発症が稀となり、嘔吐・背中の痛みは消失している。
腹痛は1日6回以上あったものが1日1~2回ほどに減少し、痛みの強さも大幅に軽減している。
強い症状が消失したため、学校で1週間すべての授業を集中して受ける事ができ、クローン病を発症してから一番良い状態である。
同時に治療した症状
背部痛 頭痛
使用した主なツボ
R合谷 R陰陵泉
考察
クローン病は難病指定され、下痢や腹痛、炎症症状を伴った若者に多い病気である。
原因がはっきりしないため薬の効果はまちまちであり、今回のケースは薬で寛解に向かわない症例であった。
しかし当院が使用する整動鍼という技術は、病気ではなくそれぞれの症状に対し施術を行うため、はっきりとした効果を出すことが可能である。
また今回背中の痛みがあったが、お腹と背中は非常に強い関係性があり、そちらも指標として施術を行った。結果としてお腹を緩めることで、背中の痛みが消失したのが今回の症例である。
クローン病は難治性で未だ希少な病気だが、今回の結果を受け整動鍼の可能性を感じることができる症例となった。
※結果には個人差があり、