ふくぎ鍼灸院では、過敏性腸症候群(IBS)の治療に力を入れています。
この「過敏性腸症候群」という病気は食中毒や腸の炎症が見られないものの、症状がある人につけられる病名であり、症状が人によって違うため、判断基準が曖昧になりがちです。
病名についても、昔は過敏性”大腸炎”、過敏性”大腸”症候群などと呼ばれている時代もありました。
これらの判断を世界的に統一するため、基準が設けられています。
今年、国際消化器学会での会議を元に「RomeⅣ」という最新の基準が発表されました。
これは1992年に発表された「RomeⅠ」から少しずつ改定されており、調べて見つかった「RomeⅡ」から「RomeⅣ」までの変化を並べてみました。
RomeⅡ(1999年) | 過去12ヶ月間、合計12週間以上 腹痛や腹部不快感があり ①排便で症状改善 ②排便頻度の変化で始まる ③便性形状変化で始まる の内2つ以上当てはまる |
RomeⅢ(2006年) | 過去3カ月間、月に3日以上 腹痛や腹部不快感があり ①排便で症状改善 ②発症時に排便頻度が変化する ③発症時に便形状が変化する の内2つ以上当てはまる |
RomeⅣ(2016年) | 過去3カ月間、1週間 に1回以上 腹痛があり ①排便で症状改善 ②排便頻度が変化に関連する ③便形状が変化に関連する の内2つ以上当てはまる |
最新の基準では「腹部の不快感」が削除されました。
「腹部の痛み」という明確なものだけが過敏性腸症候群にとって必須の判断基準とされたようです。
「過去3カ月間、1週間に1回以上」という頻度の判断も、わかりやすく実際の患者さんに即した内容になったのではないかと感じました。
こうならべると、過敏性腸症候群というものの定義が時代とともにはっきりしてきたことがわかりますね。
今回紹介しいる基準には、判断基準だけでなくその分類も示されています。そちらにも触れたいと思います。
引用:http://wellnessoflifedavis.com/bristol-stool-chart/
「RomeⅢ」では便秘型・下痢型・(下痢便秘の)混合型・分類不能型の4つに分類されていました。
上の図を参考にどのような便の形状がどの程度の割合だったかを基準に判断するものです。
最新の「RomeⅣ」では最も頻度が高いものを分類とする非常なシンプルなものになったようです。
ふくぎ鍼灸院ではわかりやすいように過敏性腸症候群の方を対象としていますが、そのように診断されていない人、今回の基準に当てはまらない人も治療しております。
大事なのは病名ではなく症状です。
どんな病名なのかではなく、「どんな症状なのか」「お腹の張りや痛み」「お腹に関連するツボの反応」を重視してみていきます。
例えば、ガス症状が強い人は過敏性腸症候群と併発することも多いですが、他の病気の症状として分類されています。 こんな症状でもいいのかな?と思ったらご相談下さい。
LINEからも受付中です。
コメント
玉川
ふくぎ鍼灸院
コメントありがとうございます。
ふくぎ鍼灸院の代表北川です。
私も学生時代に電車の中で痛みによる冷や汗をよくかいていましたのでお気持ちわかります。
病院に行くべきかどうか迷われているということで、一般論になりますがお答えいたします。
症状を拝見する限り過敏性腸症候群とされる基準には1点合わないように思います。
それは「1ヶ月に1回程度」という部分です。
過敏性腸症候群は週1回以上症状が出るものとされています。
逆に「腹痛と下痢がある」「排便で改善される」などは過敏性腸症候群の症状に近いと思います。
病院に行く目的は「過敏性腸症候群以外の病気がないか」を調べることにあります。
何もない場合、過敏性腸症候群と診断されることがあります。
以上を踏まえて私個人の意見では今の症状であれば急いで病院へ行く必要はない。
ただ、症状が心配であったり「なにもないですよ」と言われて安心できそうなのであれば受診される価値はあると思います。
もちろん症状の悪化や下血や発熱など他の症状も出るようであれば受診をお勧めします。
お大事にして下さい。
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1ヶ月に1回程度、主に電車の中で腹痛がひどくなります。排便すると下痢です。
排便で症状がだいぶ改善されるので病院などは行っていません。ストレスは溜め込むタイプなのでストレスのせいかもしれないです
過敏性腸症候群なのかどうかわからず病院に行くべきか迷っています。