ふくぎ鍼灸院では以前過敏性腸症候群専門ヨガ教室を行っていました。
なぜヨガなのか。
それはまぎれもなく過敏性腸症候群に対して効果があるからです。
現在は、IBSフルケアサポートコースをご利用の方に、当時提供していたヨガの動画が無制限で見られるようにしています。
今回はヨガが過敏性腸症候群に効果のある理由を論文も引用しながら読み解いていきます。
過敏性腸症候群はストレスなどで交感神経の働きが強くなり、腸が敏感になることで痛みが起こりやすくなる病気です。
これに対して、ヨガをすることで交感神経の働きを弱め腸の過敏性を改善し、気持ちを落ち着かせる効果があることがわかっています。
特に来院が多いガス型の腹痛は、以下の図のようなイメージです。
今まで大量のガスと過敏な腸のため痛かったのが、過敏性が改善することで痛みが出づらくなるのです。
過敏性腸症候群は「急に便意が来たらどうしよう」「ガスが漏れるかもしれないから外に出たくない」という声が多くあります。
気持ちを落ち着かせることで、起こるかどうかわからないことを不安に思う”予期不安”を感じづらくする効果もあるのです。
低フォドマップ食は食事療法の一つで、世界的に効果が認められているため、過敏性腸症候群の治療でとても注目されている方法です。
当院でも特にガス型や下痢型の方に対して、セルフケアとして低フォドマップ食をおすすめしています。
理由は、お腹で発生するガスの量を減らすことで腹痛や便秘、腸の働きを整える効果があるからです。
先程と同じように効果を図にするとこのような感じです。
過敏性は変わりませんが、ガスの量が減ることで過敏性腸症候群の痛みが起こりづらくなります。
ヨガと低フォドマップ食、どちらも過敏性腸症候群に効果があるセルフケアですが、果たしてどちらがより効果的なのでしょうか。
実は、これらを比較した研究論文があります。
それによると、どちらも過敏性腸症候群に対して同じくらい高い効果があるということがわかりました。
その内容について詳しく触れていきます。
引用するのはこちらの英語論文です。
59人の過敏性腸症候群患者が、ヨガグループは週に2回、低FODMAPグループは合計3回の栄養カウンセリングを12週間にわたって受けました。
具体的には、ヨガが過敏性腸症候群向けにカスタマイズされたものを週2回、75分を行い、自宅でも練習するようすすめられました。
低フォドマップ食は、平均してアドバイスの7割程度が守られたとのことです。
年齢は18歳から75歳の間で、下痢型や便秘型などタイプに制限はありません。
12週後のヨガと低FODMAP食はどちらもハッキリ症状が改善する効果がみられました。
特徴としてヨガの患者がストレスと心理的苦痛、不安感などが減りました。
低フォドマップ食ではお腹の張りがよく改善したようです。
下痢や便秘などタイプでの差はありませんでした。
改善を感じるスピードとしては低フォドマップ食の方が早かったが、長い目で見れば差がなかったのは面白いです。
まず言えるのは、どちらも効果があるということ!
先に説明したとおり、ヨガは過敏性を改善し、低フォドマップ食はガスを減らすという効果が違うので、両方一緒に行うことでより相乗効果を狙えます。
厚生労働省のサイトでは、ヨガの胃腸への効果を調べた論文を掲載していますので、興味がある方はこちらもどうぞ。
ヨガや低フォドマップ食など、セルフケアの欠点は続けるのが難しいことです。
今回の論文も12週、つまり約3ヶ月継続して結果を出しています。
低フォドマップ食をしようと思っても、ついついパンや麺類を食べてしまい続かないという声も聞きます。
そういう場合は鍼治療をおすすめします。
自律神経の働きを調整し副交感神経を優位にするというヨガの効果と、腸の働きを正常にすることでガスを減らす低フォドマップ食の効果、両方が鍼にはあるのです。
続けることが難しい、早く効果を出したいという方はご相談ください。
もちろん、ヨガ・低フォドマップ食・鍼を合わせて行うことも可能です。
この場合は早くて高い効果が見込めますので、本当におすすめです。
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