北川です。
世の中に「○○を治す本」はたくさんあります。私が「人見知りを治す本」を読んでいたのは周知の事実ですが、過敏性腸症候群(IBS)にもそんな本が何冊かあります。
その内容は大きく分けて二つ、病院での治療法を紹介している本と食事により自分で治すことを目的とした本です。
しかし、今回紹介する本はどちらでもありません。「自分を見つめ直し己の力で克服するんや!」という意欲的な本です。
「IBS克服10のステップ 過敏性腸症候群で悩む人&専門家へ」
IBSに詳しくない人が生半可な気持ちで読んでも難しい&実践できないため本棚の肥やしになること間違いなし!その内容を見ていきましょう。
タイトルには「10のステップ」とありますが、私が独断で3つにまとめました。
これだけ読むと簡単そうですね。
私が難しいと評した理由の一つは翻訳された本のため日本語がわかりづらいこと。そしてもう一つ、全体の7割が自分のメンタルをコントロールすることに焦点が当てられていることです。
IBSは心身症(精神的な影響が大き病気)と分類されるくらいメンタルと繋がりの深い病気です。しかしそれを変えるのは大変で時間がかかるため、どの本も真正面から取り上げません。
そんな中この本は10ステップの内7ステップが自分のメンタルをコントロールするために用意されています。
具体的には、
このように超実践的。そのためのワークシートも豊富に用意されています。なるほど、これを全てきっちり実践し、ストレスをコントロール出来るようになれば治るような気がしてきました。
早速私も自分に必要そうなステップだけでも試しに、と思ったのですが・・・。
私はIBSをほぼ克服し、よく陥りがちな思考法から脱却したつもりでした。
しかし、本書のステップ9を読んだ時に自分の認識の甘さを実感させられました。
引用します。
ぎゃー!そんなに私に現実を突きつけないでー!そういう性格だってわかってるよ!!わかってるのにやっぱり気になるんだよー。赦して・・・
読むのが辛い、辛いよ、パトラッシュ・・・
こんな感じで本を閉じたくなります。これを一人で7ステップやれと言われたら間違いなく挫折するでしょう。辛すぎる。
こういう理由で実践が難しいと感じました。カウンセラーなど他人と一緒にやらないと、逆にメンタルがやられそうです。
ここまでだと「あまりいい本じゃないのかな?」と思われてしまうかもしれませんが、そんなことは決してありません。
この本を使い自力で治す、ということは難しいかもしれませんが読むことでたくさんの気づきがあります。先程引用したような、IBSの人に多い思考が書かれているので気づいていなかった自分を知ることができる。読むのがそれは、症状を改善していくための大きな一歩だと思います。読むのが嫌になるレベルで性格を言い当てられれば従わざるをえません。
そしてなにより、「IBSはコントロールできる」という考え方を知ることができます。
病気で辛い時は「治る・治らない」の二元論で考えがち。少しでも症状があれば「治らない」なのでまたマイナス思考になり体調を悪化させる負のスパイラルに入ってしまいます。
しかし、コントロールできると知ることで二元論から脱却し、「どうすればどの程度改善できてどんな時に悪化するか」を観察し実行できるようになります。そのための足がかりとして非常に役立つ唯一無二の本だと思います。
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