過敏性腸症候群(IBS)の診断において必ず必要とされる症状が腹痛です。(RomeⅣ基準)
以前のRomeⅢ基準では「腹痛または腹部の不快感」とされていましたが、不快感が曖昧な表現なため新しい基準では腹痛のみが必須の症状となりました。
つまり、IBS患者全員の課題がこの腹痛なのです。
これらは当院の患者さんから実際に訴えのあった症状です。
基本的に排便後に楽になるのがIBSですが、排便後も痛みが続く方がみえます。
過敏性腸症候群という名前の通り、腸の感覚が過敏になっていることが腹痛の起こりやすい一つの原因とされています。
健康な人とIBSの症状を有する人を対象とした論文があります。
腸内で圧を加えどの程度で痛みを感じるかを確認する。すると、IBSの人は健康な人に比べ少ない圧で痛みを感じることがわかりました。
このように、腸の過敏性が腹痛が起こりやすい理由とされています。
前述した腸の過敏性は体の緊張、特に腹部の硬さと密接な関係があると考えます。
腸の症状はお腹の硬さとしてあらわれます。逆に、お腹の硬さを緩めることで腸の調子を整えることが出来るのです。
実際の施術ではお腹の硬い部分を探していき、その場所を緩めることが出来る手足のツボに鍼をすることで腹痛が起こらない体を目指します。